2015年度八王子市予算編成と市政運営に関する要望書【重点】

八王子市長 石森孝志 殿

2021年度の市政運営と予算の編成に関する要望書
2014年10月31日 
日本共産党八王子市議会議員団
代表  山越 拓児
山口 和男
松本 良子
鈴木 勇次
青柳有希子
日本共産党八王子地区委員会
福祉・雇用相談室長  石井 宏和
市政・くらし相談室長  市川 克宏

 貴職の市政運営のご努力に敬意を表します。
 市長就任以来、子育て支援ナンバーワンを掲げて保育待機児解消に取り組まれ、認可保育園の整備を中心に1200名を超える保育サービス定員増を図ってきたことや地域若者サポートステーションにおける就労・自立支援事業を予算化したこと、さらにシルバーふらっと見守り相談室・長房を開設したことにより市民力が発揮され「孤独死ゼロ」へ成果をあげておられることなど、高く評価いたします。
 さて、「アベノミクス」のもとで消費者物価が上昇し、労働者の賃金や高齢者の年金が目減りを続け、市民生活は深刻になっております。今年4~6月期の日本のGDP(国内総生産)は年率換算でマイナス7.1%と大幅に落ち込みました。消費税増税の深刻な影響です。本市の国保税値上げも暮らしに響いています。
 新年度から介護保険制度の改定など社会保障制度改革の影響が、給付の面でも負担増の面でも大変心配されています。安倍内閣が憲法解釈を変更し集団的自衛権の行使容認を行う閣議決定を強行したことも、多くの国民が不安に感じ、反対の声をあげています。
 来年度は4月から、市長が「ワンランク上のまちづくりをめざす」と宣言した中核市移行となります。市民の納得がえられる中核市移行を実現するとともに、日本国憲法の立場に立って、住民の命と健康、平和を守り、福祉を増進する自治体の役割を発揮されるよう、いっそうのご努力をお願いいたします。
 新年度の予算編成にあたり特に重要と考える点を下記の通り重点要望としたほか、この間私どもが行ったアンケートで寄せられた要望を中心に市民から届いた各分野・各地域の要望をまとめました。予算編成並びに今後の市政運営に反映していただけますよう、よろしくお願いいたします。

【重点要望】
1、今年4月からの消費税引き上げの影響は深刻です。政府は、介護保険の制度改定や医療費抑制など給付の削減と負担増を具体化しており、社会保障の充実という増税の口実は成り立ちません。政府に対し、市民生活に重大な悪影響をもたらす来年10月からの消費税10%への再増税の中止を求めること。また、消費税率引き上げや行財政改革を理由とした使用料の見直し、受益者負担の見直しによる給食費、下水道料金、公共施設使用料など公共料金の値上げを行わないこと。

2、2014年度は国民健康保険税が値上げされ、市民から「負担が重くなった」 との声が寄せられ、「広域化」方針による国保税への影響が懸念されています。年金生活者や非正規雇用、無職者など低所得者が多い中、国保税をさらに引き上げることのないよう、国に対して国庫負担の増額、都に対して補助金の増額を求めるとともに必要な一般会計の繰り入れを確保すること。

3、非正規雇用の拡大やブラック企業の横行などにより、就職できずに悩みひきこもりとなる青年が増え、その対応が求められています。八王子若者サポートステーションにおいて今年度から始まった職場体験・職場実習を継続し、支援プログラムを充実させること。市外事業所のサテライトとなった体制から再度独立した事業所として活動できる体制へと充実させること。事業と施策の前提となる、市内でのひきこもり実態調査を行うこと。

4、1800人に上る特別養護老人ホームの待機者解消をめざし、広域型特養の増設はもちろん、地域密着型特養ホームの増設を具体化すること。在宅でも安心して住み続けられるよう、高齢者あんしん相談センターを抜本的に増設するとともに、見守り活動の拠点として「シルバーふらっと」を館ヶ丘、長房に続いて設置すること。
 要支援1・2の方へのホームヘルプサービスやデイサービスを地域支援事業に移行して介護の質が低下することのないようにし、利用者サービス選択の意思を尊重すること。国に対しては、サービスの質や内容等に格差が生じさせないよう十分な支援を求めること。要介護3未満であっても必要に応じて特養入所を認め市として適切な措置を行うこと。

5、昨年10月の伊豆大島や本年8月の広島での土砂災害によって多くの人命が失われるなど甚大な被害が発生しました。これまでに経験したことのない大雨や本年2月の大雪に見られるように地球環境の大きな変動による自然災害に対し、身近な自治体の果たす役割はますます大きくなっています。
 防災分野での全市的体制の強化を図ると同時に、災害に直面したときの避難方針の整備を図ること。今回の台風18号、19号では、多くの自治体が避難勧告や避難指示を出しました。こうした避難に関する方針、基準を明確化し、市民に周知すること。

6、子ども・子育て支援新制度のもとで、どの子も豊かな発達を保障し、安全安心の保育体制を関係者とともにつくりあげ、待機児解消は、認可保育園を中心に対応すること。公立保育園の役割をふまえ、由木・多摩ニュータウン地区にも整備すること。民間保育士の処遇改善を進め、保育士の確保、質の向上を図ること。
 学童保育所の対象年齢を引き上げ、面積基準を学童一人当たり1.65㎡と定めた以上、これを一日も早く満たせるよう抜本的な施設整備を行うこと。

7、今、子どもの貧困が6人に1人と言われ、貧困の連鎖を断ち切る支援が求められています。生活保護家庭の生徒に対する無料塾を充実させること。就学援助について、対象者を広げる所得基準の引き上げを行うとともに、様々な事情から申請用紙を受け取りながら手続きが進まない家庭への丁寧な支援を行うこと。

8、中学校給食について、デリバリーランチは運搬時の温度設定や汁物を出すなどの改善にもかかわらず、この3年間平均20%を切る一方、小中一貫校の「自校方式」、試行とされた川口中の「親子方式」の喫食率はさらに高まっています。運搬などもスムーズで好評です。評価が裏付けられた「親子方式」を市長の公約通り、他の中学校に拡大する実施計画をつくり着実に実行すること。「親子方式」で対応できないところは「自校方式」の実施を決断すること。

9、司書資格をもつ読書担当サポーターは、現在11名が44校を担当し、対象校ではどこでも歓迎され、成果があがっています。本年6月の学校図書館法改正により、学校司書が法制化され、市議会ではすべての学校図書館に専任司書の配置を求める請願が採択されています。
 読書担当サポーターの名称を「学校司書」とするなど、司書資格を持つ方であることがわかるよう改め、その数を大幅に増やし、取り組みの交流や研修ができるセンターを設置すること。

10、居住環境整備助成事業は、市民に喜ばれ地元業者の仕事起こしに役立っています。前期・後期に分けた募集が行われるなどの工夫を継続し、予算額の拡充を図り、対象工事を広げた住宅リフォーム助成制度とすること。
 一方、木造住宅耐震改修は、予算額に達しない状況が続いており、積極的な普及啓発を図ること。耐震診断から施工、完了検査までの手続きを質の担保を図りつつ簡素化するなど、地元業者がさらに参加しやすいよう改善すること。
 公契約条例制定の動きがさらに他の自治体に広がっている動向を注視し条例制定の検討を行うこと。

11、生ごみの資源化は重要課題ですが、ダンボールコンポストによるたい肥化モデル事業の満足度は、抗酸化バケツ方式と比べると低くなっています。様々なたい肥化促進に一層の支援を行うとともに、生ごみ処理機の購入費補助も拡大すること。
 ごみ処理基本計画に盛り込まれた生ごみ大型処理機の地域への貸し出しは、町田市が50台という実績をあげ、資源化施設の整備を計画していることをふまえ、本市でも具体化を進めること。学校給食残渣の大型処理機導入拡大などを先行し、抜本的な対策をとること。国が安全な生ごみ資源化・堆肥化に向けた本格的な研究と対策を進めるよう要請すること。

12、川口物流拠点が計画されている里山・天合峰は、2644種の動植物の生息が確認され貴重な自然の宝庫です。なかでも南斜面は、3つの沢を擁し特に生息する動植物も豊かな部分であり、オオタカが子育てをした営巣木もあります。さらに、斜面直下に住宅地が広がり、福祉施設も隣接していて騒音・振動、土砂災害、水害等様々な影響が懸念されます。川口物流拠点計画は貴重な自然が残る里山を破壊する行為であり、直ちに中止すること。
 北西部幹線道路は市の財政負担が莫大であること、住居地域を分断すること、構造が水害に弱く、また走行に危険であることなど問題が多く、現行計画を中止すること。

13、中核市への移行により、市長の掲げる「ワンランク上のまちづくり」が市民に実感されるよう、移譲される権限に基づき地域の実情に応じたより質の高いサービスの提供のために万全を期すこと。移行後の事務に必要な人員体制をしっかりと構築できるよう、現在で市職員の過重な残業が行われている実態をふまえ、中核市移行と直接関係のない分野も含め適切な人員配置を行うこと。

14、福島第一原発事故の原因究明は進まず、汚染水対策もままならないなど、事故が収束したとは到底言えず、地震国・日本において原発の安全は保証できません。八王子市議会は、原子力発電から撤退し、自然エネルギーへの転換を求める意見書を可決しました。再生可能エネルギー発電による電気買い取りを電力会社が拒否する事態が生まれており、政府に対し再生可能エネルギーの普及のため買い取り制度を維持発展させ、原発の再稼働中止を求めること。本市の太陽光発電機器設置補助など再生可能エネルギーの利用拡大へ施策を充実させること。東日本大震災被災地への目に見える支援を引き続きおこなうこと。市内被災者・避難者の実態把握に努め、援助を継続すること。

15、憲法では市長も憲法擁護義務が課されており、海外の戦闘地域で武力行使を認める閣議決定は憲法違反であるとの立場にたって政府に抗議し、憲法9条をいかした外交へ転換することを求めること。米軍機による騒音被害について、市民からの苦情や相談を真摯に受け止め、親身に対応すること。オスプレイの東京への飛来に抗議し、横田基地への配備に反対すること。また国から得た情報を速やかに議会と市民に公表する手立てを講じること。