2006年度八王子市予算編成に関する要望書

八王子市長 黒須隆一 殿

2006年度八王子市予算編成に関する要望書
2005年10月25日
日本共産党八王子市議会議員団
市議会議員 山口 和男
同   山越 拓児
同   松本 良子
同   鈴木 勇次
同   狩野 宏子

 大幅な税収減という困難な中で財政再建に取り組み、54万市民のために日夜奮闘されております市長はじめ理事者に心から敬意を表します。
 厳しい財政環境のもとではありますが、私たちのもとにも市民から多数の要望が寄せられています。2006(平成18)年度八王子市予算編成にあたりまして、これらを要望書としてまとめましたので、新年度予算に反映していただけますよう、よろしくお願いいたします。

→分野別要望書(PDF)

【重点要望】

1、 個人市民税の減収や生活保護受給世帯の増加が示すように、リストラや賃金抑制、不安定雇用の増大などによる所得低下、小泉内閣による社会保障給付の削減や負担増によって、市民生活が圧迫され、その影響は深刻かつ広範囲にわたっています。よって、市民の元気を失わせないために、この間、努力されているように引き続き、国民健康保険税(介護分を含む)、保育料、下水道料金、公共施設使用料など公共料金の値上げを行わないこと。
2、 「歳出の抑制努力はもとより、基金の取り崩しや土地の売払いを活用し、緊急的な歳入対策による財政運営を行ってきたところであるが、それも、もはや限界となっている」(平成18年度予算編成方針)。こうした中で、多額の費用を要する、北西部幹線道路計画や自然環境や住環境に悪影響を及ぼすトラックターミナル構想は見直すこと。八王子駅南口再開発は、市民会館のみならず、「もう一つの市役所構想」まで示され、このことは、八王子駅北口再開発で25億円も投入して、地下駐車場を買いとることになったことと、同じようになりつつあります。無理をしないことを求めます。
3、 市有施設のアスベストについては、調査を継続中ですが、含有建材や調理器具などアスベスト使用のおそれのあるものについての調査を徹底し、飛散防止策・撤去・器具更新をすみやかに行なうこと。国や都に対しては、必要な財政措置を求めること。民間施設の調査は、国は延べ床面積1000㎡以上の建築物としたが、500㎡以上の施設についても実施し、建物の解体時には、届出を義務付け、市の立ち入り調査権限を明記した条例の制定など、対策を行なうこと。他の自治体でも行なっている調査士の派遣や調査・除去費用の助成、融資制度を設けること。
4、 学習面とともに生活面でも効果のある少人数学級(30人学級)の早期実現を国及び東京都に対して働きかけるとともに、市としても小学校1年生、中学校1年生で独自の手立てを行なうこと。スクールランチの利用率が極めて低いという現状をふまえ、東久留米市、調布市、町田市が今年度実施し、武蔵野市の新市長も実施を表明した中学校給食を一日も早く決断すること。
5、 学童保育は着実に成果を挙げていますが、保育所では年度末に1000人を超える待機児が引き続き生まれています。保育所待機児の解消のために、認可保育園の増設、公立保育所の改築・増設を行うこと。子ども家庭支援センターを地域の子育て支援の核として充実させ、子育てサークルへの施設開放、活動への支援策を強化すること。
6、 介護保険法の改定により、10月から介護施設利用者から食費・居住費が徴収されることになりましたが、他の自治体で実施しているように、自己負担軽減制度を設けること。介護予防の名で軽度要介護者のホームヘルパー利用制限を行うことなく、必要な高齢者が引き続きヘルパーを利用できるようにすること。次期介護保険事業計画策定に当たっては、保険料・利用料の影響をよく調査し、減免・軽減制度を設けること。
7、 障害者に大きな負担増をもたらす障害者自立支援法案の動向を注視し、障害者福祉施策の財源確保と市独自施策の継続に全力を尽くすこと。
8、 市の管理職による中小企業訪問のテンポと訪問数を引き上げ、産業振興策のいっそうの充実に努めること。小規模工事契約希望者登録制度、住宅リフォーム助成及び耐震補強工事助成制度などを設けること。商店街宅配サービス事業、空き店舗対策など商店街支援策を具体化し、商店街の活性化に努めること。
9、 家庭ごみ有料化の中で問題になったリバウンドがすでに起きているので、減量効果を持続させるために新たな啓発活動を継続して行なうこと。さらなるごみ減量のためにプラスチックごみの資源化、生ごみ・剪定枝の堆肥化・バイオガス化などに取り組み、循環型社会の構築のために取り組みを強化すること。引き続き、拡大生産者責任を追及する立場で、国及び関係機関に対する働きかけを行うこと。町田市の廃プラスチック圧縮処理施設については、容器包装リサイクル法に基づくものとされていますが、近隣住民の不安が広がっていることから、町田市に対し隣接する八王子市民の合意なく事業を進捗させないよう強力に要請すること。
10、 高月町など周辺の丘陵地で資材置き場や緑化推進に名を借りて、事実上の残土捨て場になっている「開発行為」から森林及び周辺の住環境を守るために、新しい条例制定をはじめとした実効ある規制措置をとること。
11、 「八王子地域の保健医療に関する検討会」最終まとめの立場を堅持し、都立八王子小児病院の存続・拡充のために全力を尽くすこと。周産期医療センターなど23区に比べて遅れている多摩地域における小児医療体制の充実、同病院施設の改修や医療機器の更新など診療継続と患者の療養環境改善のために必要な対応を東京都に対して強く求めること。都立八王子小児病院の果たしてきた障害児療育機能を継続させること。
12、 東京都による施策の見直しや第2次財政再建推進プランによって、市民サービスの低下を招くことのないよう、東京都に対する働きかけをいっそう強めること。都が直接補助金を交付している保育所に対するサービス推進費補助、特別養護老人ホームへの補助金などを削減させないこと。市町村振興交付金などを見直す動きがあるが、広域行政としてふさわしい役割を東京都が果たすよう、市町村への補助金見直しについては市町村の意見が十分尊重されるよう東京都に働きかけること。
13、 国の三位一体改革について、地方分権の着実な推進のために十分な税財源移譲が行われるよう全力を尽くすこと。所得税の各種控除、定率減税の廃止・見直しというサラリーマン増税、消費税の税率引き上げという大増税路線に対し、市民生活を守る立場から反対し、国へ働きかけること。
14、 世界連邦平和都市宣言及び非核平和都市宣言をふまえ、憲法第9条をはじめとした平和の原則を守り抜くために全力を尽くすこと。日本非核宣言自治体協議会に参加し、非核平和条例を制定すること。武力攻撃事態法など有事法制にもとづいた戦争を前提とする「国民保護」計画づくりは行なわないこと。

以上