2007年度八王子市予算編成及び市政運営に関する要望書
八王子市長 黒須隆一 殿
市議会議員 山口 和男
同 山越 拓児
同 松本 良子
同 鈴木 勇次
同 狩野 宏子
56万市民のために日夜ご努力をいただいております市長はじめ職員に心から敬意を表します。
昨年、要望いたしました新残土条例の制定や乳がんのマンモグラフィ検診、アスベスト対策工事など多くが具体化され、さらに随時関係所管に届けている市民要望に対しても、誠実に対応していただいていることに感謝を申し上げます。
さて、2007(平成19)年度八王子市予算編成にあたって、この間、私たちが行ったアンケートや市民のみなさんとの対話の中で多岐にわたる要望をいただきました。つきましては、以下の通り要望書としてまとめましたので、新年度予算に反映していただけますよう、よろしくお願いいたします。
1、 三大メガバンクが今年3月期の決算で合計約2兆5千億円という史上最高の利益を上げながら、繰越控除制度という税の優遇制度を受けて一銭も法人税を支払っていないなど、不公平な税制を市民のくらしを守る立場から政府に改善を求めること。2006年度の住民税増税に対しては2200件の苦情・問い合わせが殺到し、新年度はさらに定率減税の全廃などさらなる庶民増税が行なわれる。市民一人あたりの給与・年金収入がともに減少し、生活保護世帯や就学援助受給世帯が増加するなど、市民生活の深刻さが増すなか、国民健康保険税(介護分を含む)、保育料、下水道料金、公共施設使用料など公共料金の値上げを行わないこと。
2、 「歳入不足は避けられない見込み」(平成19年度予算編成方針)の中で、巨額の費用を要する北西部幹線道路計画や自然環境や住環境に悪影響を及ぼすトラックターミナル構想は中止すること。総事業費350億円(うち市費112億円)の八王子駅南口再開発について、各地で談合容疑の捜査を受けている大林組などの企業が特定業務代行者となっていることは重大である。市財政や市民生活に重大な影響を及ぼす本事業を抜本的に見直すこと。
3、 圏央道工事による国史跡八王子城跡での滝枯れに対し、水環境の復元・保全を強く要求すること。環境影響評価書(昭和61年12月)では八王子城跡トンネル・高尾山トンネルの工事施工中も施工後も「地下水及び表流水への影響は軽微」としていたが、実際には重大な影響が出ている。「八王子城跡での滝枯れの原因をトンネル工事」と認めた市長として、環境影響評価書に照らして国に対し高尾山のトンネル工事の中止を求めること。
4、 三多摩で未実施が6市のみとなり、現在、本市では食育・給食実務者検討会で検討しているが、学校給食法にもとづくあたたかい中学校給食を早期に実施すること。小中学校で1クラス40人のクラス(平成18年4月1日現在、小学校 20クラス、中学校24クラス)について、独自の手立てを講じて解消すること。
5、 現在市内の図書館は4館1分室となっているが、北部地域及び西南部地域からは、図書館を求める声が大きくなっている。この地域に近い将来図書館ができるよう検討を始めること。
6、 子育て支援として、乳幼児の医療費助成の所得制限をなくし、小中学生の医療費無料化にふみだすこと。増加傾向が続く保育所待機児の解消のために、認可保育園の増設、公立保育所の改築・増設を行うこと。家庭福祉員など認可外保育施設に子どもを預ける場合の保育料を助成する制度を設けること。
7、 介護保険法の改定で軽度者から取り上げの対象となった介護ベッドや車いすなど福祉用具が引き続き利用できるよう、東京都が介護ベッドの購入者に対する助成制度の創設を明らかにしていることをふまえ、市独自の措置を講じること。介護施設の食費・居住費について国や都に対し負担軽減策の拡充を求めるとともに、市独自の自己負担軽減制度を設けること。
8、 障害者自立支援法の施行により様々な問題が生じている。市として障害者団体などからも直接実態を把握して対応すること。障害者に大きな負担増をもたらしている応益負担について抜本的な見直しを政府に要求し、市独自の利用者負担軽減策の実施や減収となる施設の運営支援を行なうこと。
9、 中小企業訪問のテンポと訪問数を引き上げ、産業振興策のいっそうの充実に努めること。小規模工事契約希望者登録制度、住宅リフォーム助成及び耐震補強工事助成制度などを設けること。商店街宅配サービス事業、空き店舗対策など商店街支援策を具体化し、商店街の活性化に努めること。
10、 東京の1割をしめる八王子の農業をさらに振興するために、道の駅直売所の手数料を適切なものとし、学校給食での八王子産農産物の活用を拡大すること。かつてなく被害が広がっている農産物の鳥獣害対策をいっそう強めること。
11、 家庭ごみの減量のためにプラスチックごみの資源化、生ごみ・剪定枝の堆肥化・バイオガス化などに取り組むこと。引き続き、拡大生産者責任を追求する立場で、国及び関係機関に対する働きかけを行うこと。
12、 「八王子地域の保健医療に関する検討会」最終まとめの立場を堅持し、都立八王子小児病院の存続・拡充のために全力を尽くすこと。周産期医療センターなど23区に比べて遅れている多摩地域における小児医療体制の充実を東京都に対して強く求めること。
13、 東京都は2006年7月に「今後の財政運営の指針」を策定し、市町村の自主性・自立性の更なる向上を図るとしているが、これを大義名分に市民サービスに直結する事業への補助額や補助率の削減が行なわれないよう、また東京都が広域行政としてふさわしい役割を果たすよう働きかけること。
14、 指定管理者制度の導入によって、これまで公共が担ってきた分野を民間の事業者が担うようになってきている。しかし、この間「官から民へ」「規制緩和」のかけ声のもとで、建築確認事務における耐震偽装事件などの問題が続発している。市場化テスト法なども制定されたが、市の施設の管理運営などについて、公共性が保たれるよう十分なチェック体制を確保すること。
15、 本市は中国及び韓国の3市と海外友好交流協定を結んだ。草の根の平和友好のとりくみをいっそうすすめるうえでも、戦争放棄を宣言した憲法9条を守るために積極的な役割を果たすこと。
北朝鮮の核実験に対して、八王子市議会は全会一致で抗議の決議を行なった。世界連邦平和都市宣言及び非核平和都市宣言の立場にもとづき、核兵器廃絶へ市長が積極的に行動すること。非核平和都市条例を制定し、8月2日を八王子平和の日とするなど、平和行政をさらに充実させること。
以上