新型コロナ対策に関する第3次要望書を提出
日本共産党八王子市議団(鈴木ゆうじ団長、4人)は15日、石森市長に対し、「新型コロナ対策に関する第3次要望書」を提出しました。木内副市長と総合経営部長が応対しました。
鈴木ゆうじ市議から、第1次ならびに第2次補正予算で掲げた特別定額給付金の速やかな実行、PCR外来の設置開始を受けて、診察と検査機能の充実を図ること、医療機関への支援策事業を早急に立ち上げることなど、要望書の全体を説明しました。アオヤギ有希子市議は5月から開催されたPCR検査の総数など市民生活の正しい判断を行う上で、必要な情報提供を求めました。石井ひろかず市議から高齢者介護・障害者事業所や保育所施設へ休業や感染予防の負担軽減と補償を要望しました。望月翔平市議は、21大学を有する八王子市として、家賃補助をはじめとした学生への支援を進めてほしいと要望しました。
木内副市長は、「要望の内容を受けとめて、できるものはしっかりと実行していきたい」と答えました。
引き続き、市民の皆さんから寄せられた要望を届け、実現にむけて頑張ります。
新型コロナ対策に関する第3次要望書を提出
八王子市長 石森孝志殿
2020年5月15日
日本共産党八王子市議会議員団
市議会議員 鈴木勇次
青柳有希子
石井宏和
望月翔平
事務局長 市川克宏
緊急事態宣言が延長され様々な行政課題に日夜努力されている市長はじめ理事者そして職員皆様に感謝申し上げます。本年度第1次・2次の補正予算を組みすでに着手されていますが、盛り込まれた事業の一日も早い完全実施をお願いします。
併せて6月の第2回定例市議会に向け第3次補正予算編成の準備に取り組まれていると思います。今、国民が経験したことのない大変な事態が進行しています。国や東京都が行う対策や支援事業の更なる充実を求めつつ、市としても基礎自治体として市民が直面している困難や不安を解消するため切れ目のない対策並びに支援を求めます。
私どもも多くの市民からご意見をいただいていますので、補正予算並びに執行上の問題について重ねて要望を致します。ぜひご検討いただきますようお願い申し上げます。
1次・2次補正予算の執行に関して
1. 第一次補正で掲げた事業の早期実施に全力で取り組むこと。軽症者の宿泊療養施設のためのホテルの借り上げ等は東京都の財政補填があると思うが、1次補正で掲げた全ての事業の市負担を明らかにし、余剰財源が発生した場合には医療機関への支援策事業を早急に立ち上げ活用すること。
2. 1人10万円の給付事業(特別定額給付金)は、一人暮らしの高齢者や障害者等、申請手続きに戸惑う人も多いことから案内窓口など特別な対応をとること。生活保護受給者については、収入認定されないことを周知徹底すること。DV被害者等への給付など適切に対応すること。
3. コロナ外来が1か所設置されスタートしたが、抗体検査キットなど新たな検査方法も併せて行えるよう診療と検査機能の充実を図ること。高額な医療・検査機器(ECMOなど)の購入支援を行うこと。
医療機関への支援
1. 全ての病院の医師・看護師・職員及び入院患者のPCR検査を行政の責任で実施すること。
2. 医療用防護服・医療用マスク・パルスオキシメーターを購入し、不足している医療機関や待機者へ貸与支援すること。
3. 感染者受け入れの病院、発熱外来対応病院等への財政的支援を充実させること。これらの病院の医師や看護師には市においても危険手当を支給すること。
4. 軽症者の宿泊療養施設での見守り、コロナ外来での診療受付や検査の補助など可能な医療作業を担う看護師を臨時に雇用し、医療体制を支援すること。
5. PCR検査の検査基準(相談基準)の見直しがされたが、全ての医療機関や市民に周知すること。併せて保健所も基準を徹底すること。
その上でPCR検査の実施総数(保健所実施数と民間実施数)や陽性率について明らかにすること。
6. コロナ外来の予約をされた患者の移送、精神障害者等の付き添いなどが必要な場合の手立てを講じること。入院や宿泊療養施設に入る場合など感染者用搬送車を用意し、移動を支援すること。
障害者・高齢者介護事業所並びに保育所施設等への支援
1. 介護施設で入居者の運動不足を補うためシルバーカーの借用を市に申し入れたが断られた事例があった。医療的ケアを受けている障害者、疾病を抱えている高齢者は感染予防のため特別な手立てが必要であり、消毒液や体温計など含め、きめ細やかな支援を行うこと。
2. 障害者福祉・高齢者介護事業所では、デイケアやショートステイ事業等の休止などで収入減となっている。感染予防のための特別対応も負担が大きい。直ちに実態を把握し、経営支援を行うこと。
3. 利用者が減少し収入減となっている保育所・学童保育所施設等への財政補填を行うこと。
4. 感染予防のため介護認定更新時期の延長措置を取ること。
市民生活についての支援
1. 雇用調整助成金など各種申請手続きに要した社会保険労務士や行政書士委託費用の助成を行うこと。
2. 生活困窮者やひとり親世帯等を対象に市として給付金を実施すること。
3. 4・5月になって収入が大幅に減ってしまった子育て世帯がある。就学援助制度の申請が改めてできるよう措置すること。
4. 今年度の国保の値上げを撤回し、生活困窮減免及び猶予制度を周知すること。傷病手当金については、自営業者やフリーランスにも適用すること。
5. 生活保護制度の運用に関して、厚労省通知に基づき保護決定を速やかに行うこと。
6. 育休の延長決定を周知すること。
7. 防災無線での広報は、状況の変化に対応し市民が必要とする情報の提供を行うようにすること。
学生への支援
1. 学生の5人に1人が退学することを検討しているなど深刻な状況が報告されている。学費の半額を国に求めるとともに、経済的に困窮する学生に対しては八王子市の大学等に学費免除や減額措置をとるよう働きかけること。
2. 市として家賃補助、光熱費等アパート管理費などの助成を行うこと。
3. 住宅確保給付金制度の運用についてアルバイト学生にも適用されることを周知するとともに市の窓口でも間違いのないよう適切に対応をすること。
中小業者、飲食・小売商店・農業者等への支援
1. 家賃・光熱費など固定費の負担に耐えられず閉店せざるを得ないなど深刻な状況である。市独自の家賃助成を行うこと。
2. 仕事が大幅に減ってしまった建設関係事業者のため、経済的波及効果が大きい住宅リフォーム助成制度を創設すること。
3. 給食食材生産農家への購買支援、また学校給食関連業者について国の制度も活用し収入減に見合う損害額補填を行うこと。
4. 東京都の自粛要請に基づく支援の対象外となっている中小零細業者らへの市独自の緊急支援金制度を創設すること。
5. 市から委託または施設等の指定管理事業者に対し、契約の見直しが図られているが事業者の不利益となる改定は行わないこと。また利用料金設定を行い収入減となっている事業者についても収入減に見合う補填を行うこと。
学校の休業に対する措置
1. 家庭学習を進めるにふさわしい教材の提供や指導を行うこと。副教材費の支援など保護者負担の軽減を図ること。学校の負担に対する財源の手立てを講ずること。
2. 児童生徒のストレスが増大している。児童生徒の生活・健康指導や相談事をもつ子どもへの対応が学校で行えるよう相談体制の確立・専門家の配置を行うこと。
3. 1学期の成績評価について家庭学習の習熟度は家庭環境に大きく左右されることから十分に配慮すること。国や都も中止したように市の一斉学力テストは中止すること。
4. いじめ・不登校の発生や休業中の居場所確保など子どもの人権を考慮すること。
5. 授業再開については、子どもの学習権の保障など市民要望も踏まえ、適切な判断をすること。
保険医療体制について
1. 市民からの問い合わせなど十分に対応できるよう保健所体制の充実を進めること。
医療情報等開示の在り方について
1. この間、わが会派から八王子市におけるPCR検査等の状況及び市内の医療資源について、集中治療室・人工呼吸器・エクモ(ECMO)など医療機器の設置数等について聞いてきたが、「把握しているが公表するためのものではない」という回答であった。どんな理由でこういう回答をしているのか理解できない。政府の緊急事態宣言発出のエビデンス(科学的根拠)が明らかにされないもとで多くの識者らからも全ての政策や対応の根拠が示されず、出口戦略も描けない、信頼性に乏しい等々の批判がされている。政策判断には、その根拠となる情報が必要でありその開示は当然のことである。市の対応は国や都の方針に従っているのだろうが、こうした姿勢は市民主権のもとに進める地方自治行政の在り方として看過することはできない。
これまで聞いてきた八王子市の医療情報ならびにPCR検査状況を明らかにすること。