2025年第1回定例会本会議|横田基地航路直下に騒音測定器常設に関する請願 賛成討論|2025年3月27日 石井ひろかず
それでは請願第7号「横田基地航路直下に騒音測定器常設に関する請願」について、賛成の立場から討論を行います。
本請願は、本市の中でも横田基地に近く、離着陸の際の飛行航路の直下にあって、日夜航空機の騒音被害を受け続けている町会の皆さんが、騒音測定を強化して被害の実態を明らかにすることを求めるものです。そこから騒音の軽減につなげてほしいという願いをお持ちだと伺いました。
昨年度、久保山町の全域1950世帯で実施したアンケート調査では、回答者の内、就寝中に飛行音で目を覚ますことがあると答えた方が74%、昼間飛行音をうるさいと感じる方が94%にもなり、騒音と同様かそれ以上に落下の不安も気になる方が72%にも上ることが明らかになりました。この調査結果をまとめた資料は、その後議員の皆さんにも届けられています。
本市の航空機騒音測定はこれまで、年に2週間ずつしか行っていません。しかし、米軍機の活動は日々異なっていて、日ごと月毎の変化が激しく、夜間や早朝の騒音もあります。こうした実態は、年間を通して常時測定しなければつかめません。
そこで本請願は、ほぼすべての近隣の市も行っているように、365日24時間騒音測定を行うことを求めるものです。
また、本市のこれまでの騒音測定はほとんど石川中学校で行われてきましたが、この場所は騒音の程度を防衛省が測定して区域分けしたコンター図では75Wの区域にあります。このWは、加重等価平均感覚騒音レベルの単位ですが、本市には、より騒音が激しい80Wの区域もあり、そこで測定すれば、当然騒音の平均値が上がり、環境庁が定めた環境基準を超える可能性が高くなります。そこで、本請願は、本市で最も騒音が激しい80Wの区域で測定することも求めています。
都市環境委員会での審議では、80Wの区域で、市が責任を持って管理し測定できる適地が見当たらないという趣旨の見解が環境保全課から示されました。しかしこれはまともに検討すらしていないと思われる不誠実な答弁です。
請願に反対の意見を述べた委員も、80Wの区域で公的な施設がある平町では高度が低くなることもあり、適当な場所がないというような主張をしましたが、そんなことはありません。
本市の80Wの区域には、高台にも、市が所有する土地にある久保山町会会館、久保山学童保育所第1クラブ、宇津木台南公園などのほか、半ば公的なURの住宅などもあり、他市では、民間のビルや施設で騒音測定を行っている例も少なくありません。その気になれば、高台にある80Wの地域で市が騒音測定を安定的に行う場所は十分に見つけられるはずです。
都市環境委員会で環境保全課は、常時騒音測定に必要な予算を精査していないとも答弁しました。その上で、測定機器の購入費は600万円から700万円ほどになり、平準化しても年間の予算は200万円ほどになるのではないかなどとの見解を示しました。しかし、お隣の日野市は、リース契約で年間78万円に定期点検の費用を加えた金額で年間を通した航空機騒音測定を行っています。また、久保山町で自主的に航空機騒音測定を行っている市民団体の年間の測定費用は、最初に購入した測定器の値段を平準化して見れば、年間50万円から60万円ほどだということです。
現在市が年に2週間だけ行っている航空機騒音測定の費用は約30万円ですから、その2倍3倍程度の予算で、年間を通した騒音測定ができます。機材や方法にもよりますが、現行と比べて、予算的にもそれほど大きな負担にはなりません。
都市環境委員会で、環境保全課は、騒音測定は本来原因の発生者、この場合米軍や国が行うべきものだとの見解も示しました。原則としては当然そうですが、米軍は測定する気がないどころか、地元自治体の度重なる要請や取り決めにも背いて夜間や早朝を含めて住宅地でも耐え難い騒音を出し続けています。こうした現状がわかっていながら、米軍や国が行うべきものと言って、請願を真摯に受け止めない姿勢をとったことに、委員から強い批判を受けました。
航空機騒音測定は防衛省も石川市民センターで常時行っていますが、ここも75Wの区域にあり、結果の公表も簡素なものです。本市として、80Wの区域で常時騒音測定を行い、被害の実態をより詳細に明らかにすることが大切で、米軍には騒音測定よりも、騒音の縮減、特に夜間飛行の差し止めなどこそ求め続けるべきです。
本市の近隣では、横田基地がある昭島市や立川市などはもちろん、日野市や多摩市、町田市も年間を通して独自に航空機騒音測定を行っています。日野市は時間帯別の騒音回数、町田市は最も大きな騒音の値や市民からの苦情件数もホームページで公開していて、市民の被害や問題意識に寄り添った発信をしています。
平均値が環境基準以内だとしても、100デシベルを超える大騒音が何度もあったり、深夜や早朝の騒音が何度もあったりする実態を測定し、公表することは、こうした被害を広く共有し、騒音の軽減を求める根拠にもなります。
本市も、年間を通して騒音測定を行い、その結果をていねいに市民に公開していただきたいと思います。
本請願の請願者は久保山町会、小宮町会、高倉町会(松風会)の3つの町会と久保山町騒音対策委員会のみなさんです。特に久保山町騒音対策委員会の皆さんは、中心になって請願をまとめられ、議会に提出する前に、各会派と無所属の議員に請願の趣旨など説明されています。
3つの町会が請願者である本請願は、それだけ重みのあるものです。議員の皆さまのご賛同を心よりお願いし、賛成の討論といたします。
【録画中継】令和7年第1回定例会 3月27日 本会議 請願第7号 横田基地航路直下に騒音測定器常設に関する請願