2025年第1回定例会本会議|2024年度補正予算に対する反対討論|2025年3月6日 わたばやしゆか
それでは、第42号議案、2024年度八王子市一般会計補正予算(第6号)につきまして、日本共産党八王子市議会議員団を代表し、反対の立場から討論を行います。
反対理由の第一に、子育て世帯臨時特別給付金において、0歳から18歳までの児童8万人に対し5,000円ずつデジタル地域通貨である桑都ペイでの支給を行う方法では、物価高騰の影響を強く受けている全ての子育て世帯を幅広く迅速に支援するという本事業の目的が達成できないと考えるからです。
物価高騰がいまだ続いています。総務省が先日21日に発表した1月の全国消費者物価指数で、生鮮野菜は前年同月比36%上昇し、キャベツは約3倍となるなど家計を圧迫しています。別の調査では、コメの店頭価格は昨年比で1.5倍上がっているといいます。コメの価格高騰が続く中、政府の備蓄米21万トンを市場に放出する方針を正式に発表しました。店頭に並び始めるのは3月下旬以降となる見通しですが、価格が落ち着くのはまだまだ先になるかと思います。子育て世帯、とくに中学生や高校生の育ち盛りの子どもがいる家庭では、依然として家計の食費のやりくりに頭を悩ませる日々が続きます。
そうした子育て世帯へ迅速かつ効果的に給付する方法として、桑都ペイは不適当だと考えます。そもそも桑都ペイは市民の約7割が現時点で利用していません。もし何らかの理由で桑都ペイを利用しない場合、または、できない場合には、給付金は実質届かないことになります。また、それぞれ家庭の事情も異なることから給付金をどのように活用するかはそれぞれの家庭の選択にゆだねるべきです。市は、様々な事情で桑都ペイを利用できない家庭については、個々の状況に合わせて対応するとしていますが、その具体的な方法はいまだ未定です。児童養護施設にいる子どもたちにとっても期限付きの桑都ペイでは活用が困難といった問題も委員会質疑の中で指摘がありました。桑都ペイを利用できない家庭や子どもたちにどう対応するかという課題は、そもそも現金給付であれば生じない問題です。
また、委員会質疑では、5,000円分のポイントが付与される二次元コードを郵送するやり方では、対象児童の保護者でない方が受け取ってしまうのではという指摘もありました。市は書留で送るなどで対応するとしていますが、そうしたことが起こる可能性についての明確な否定がありませんでした。ポイントが本来行き渡るべき対象に届かない可能性や、転売や譲渡などの市が想定していない、不適切な使われ方がされてしまう可能性は残されたままです。こうした問題も、現金で給付すれば生じないことであります。
過大な委託料も問題です。今回4億円を給付するために9500万円の委託料が発生します。発送業務やコールセンター業務の委託にかかる費用が、事業費全体のうち19%を占めています。さらに、児童一人あたり5,000円分の桑都ペイを支給するのに一人あたり1187円の事務経費、給付金の5分の1の委託料がかかるとみると、より委託料の過大さを実感します。
市は桑都ペイを活用することで委託料の削減効果があるとの考えですが、児童手当などの情報を活用できればプッシュ型の給付が可能となり、事務経費も圧縮できるはずです。
代表質疑で紹介した長野県佐久市では、2024年度一般会計補正予算でひとり親家庭への臨時特別給付金事業が組まれ、2月10日に行われた2025年佐久市議会第1回定例会にて審議・可決されました。財源は、本市が子育て世帯臨時特別給付金として活用する、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用しています。事業費全体で1482万9000円が計上されておりますが、そのうち給付金額は総額1440万円となっており、事業費の97%が給付金で、事務経費はわずか3%です。佐久市のホームページによれば、2024年12月分の児童扶養手当受給者の方は申請不要で、児童扶養手当の振り込み口座に2月27日付けで振り込まれるということです。
市は、先日の委員会質疑で、児童手当等の個人情報は目的外利用の制限があり、情報の活用は慎重であるべきと述べました。しかし、全児童対象の児童手当と、ひとり親家庭を対象とした児童扶養手当という違いはあるものの、情報の活用という点では、八王子市も佐久市も同じ土俵に立っています。つまり、市の考え方次第ということです。委員会質疑では、本事業を組み立てるに当たり、児童手当などの情報を活用するかの議論を含め、現金給付の検討すら、なされなかったということが浮き彫りになりました。桑都ペイの活用によって二次元コードの郵送により事務経費が圧縮できるという市の答弁は、佐久市の事例と比較しましても、とうてい納得できるものではありません。
7割の市民が利用していない桑都ペイを、子育て世帯に使わせるために事業を設計したのではないかと思えてなりません。全ての子育て世帯に対する迅速かつ簡易な給付という本来果たされるべき支援のあり方とはいえず、反対です。
反対理由の第二に、桑都ペイを活用した本事業では、地域経済の活性化に結びつかないと考えるからです。
我が会派はこれまで、デジタル地域通貨桑都ペイ事業について、キャッシュレス決済を望まない市民や事業者を除外するものであり、公平性に欠けること、また、利用店舗数も多い大手の業者間でのポイント還元競争が激化している中、自治体独自に行うデジタル地域通貨は競争についていけず淘汰され、事業が失敗に終わる懸念を指摘してまいりました。2023年度の事業実施では、利用者のクレジットカード情報を抜き取られるなどの犯罪を誘発し、今年度は桑都ペイの再開にあたり、市はチャージ機能の停止をせざるを得ない状況に追い込まれました。利用者数も加盟店数も伸び悩む中、桑都ペイが地域経済の活性化に資する事業とは言い難い状況です。物価高に苦しむ市民、事業者に幅広く届く支援をし、市民の懐を温めることこそが、地域経済の活性化に結びつくと考えます。市民の3割に満たない利用率に加え、1200店舗とごく一部の事業者の中で循環される桑都ペイの枠組みでは、地域経済の活性化はのぞめません。
今回の事業の給付対象である子育て世帯が全員、桑都ペイを利用することは困難であります。にもかかわらず、市は給付方法として桑都ペイを選択しました。
もし、現在の桑都ペイの利用率3割弱という水準を子育て世帯にも当てはめたとするならば、4億円の給付金のうち、1.2億円しか使われないことになります。残り2.8億円は未執行となる可能性を強く危惧しています。本来、対象者全てに行き渡るべき給付金が、桑都ペイを活用すれば受けられ、使わなければ受け取れない、という仕組みは、全ての子育て世帯への支援という事業目的から外れています。子育て世帯への給付金事業が、桑都ペイの事業継続のために利用されることは認められません。以上、反対討論とします。
↑ 録画中継をご覧いただけます。動画開始から11分頃より反対討論が始まります。
【2024年度一般会計補正予算(第6号)に対する各会派・議員の態度】
※1)敬称略
※2)鈴木レオ議員は議長のため採決に加わらず
○賛成30名
(自民党)長谷川順子、内田由香利、立川寛之、西室真希、岸田功典、小林秀司、川村奈緒美、吉本孝良、福安徹、岩田祐樹
(公明党)古里幸太郎、森重博正、日下部広志、冨永純子、渡口禎、美濃部弥生、中島正寿、久保井博美、五間浩、村松徹
(立憲民主)浜野正太、九鬼ともみ、森喜彦、安藤修三、小林裕恵
(諸派)星野直美、舩木翔平、高橋剛、山本貴士、及川賢一
✕反対7名
(共産党)綿林夕夏、望月翔平、市川克宏、石井宏和、鈴木勇次
(諸派)玉正さやか、金子アキコ