PCR検査センター設置など共産党市議団が「新型コロナに関する緊急要望書」を提出

 4月17日、共産党八王子市議団は三蜜を考慮して共産党市議団を代表し、鈴木ゆうじ市議とアオヤギ有希子市議が、3月に続き2回目の「 新型コロナウイルスに関する緊急要望書」を市長あてに提出しました。木内副市長と、総合経営部長が対応しました。
 党市議団は、大規模な補正予算を組んで「 市独自の体制の確立と病院への支援」「 軽症者の宿泊・療養施設の設置」「 学童保育の指導員、保育士などへの支援」「 市内業者への補償や支援」「 国民健康保険税の値下げ」「 休校中の学習や給食の支援」等を求めました。
 感染拡大をこれ以上広げないためにも、また医療従事者を感染から守るためにも、市独自のPCR検査センターを設置することは不可欠です。党市議団は、引き続き市の取り組みに協力をしていきます。


 

新型コロナ感染対策に関する緊急要望書

八王子市長 石森孝志殿

新型コロナ感染対策に関する緊急要望書

 

2020年4月17日
八王子市議会議員団
市議会議員 鈴木勇次
青柳有希子
石井宏和
望月翔平
事務局 市川克宏

 新型コロナの感染状況が重大な局面となっているもとで日夜対策に取り組まれている市長はじめ理事者、市職員のご努力に感謝いたします。
 市民から、「PCR検査さえ受けられない状況で、感染したら適切な医療が受けられるだろうか」などの声がたくさん届いています。市民の深刻な不安と、くらしや営業についての困難も急速に広がっています。
 市においても医療保険部地域医療体制整備担当課長を配置し医師会とも連携し対応を検討していくとの報告も受けました。検査体制や軽症者の宿泊・療養施設確保をはじめ地域医療の更なる前進を願っています。市民の不安を解消するための的確な対応をお願いいたします。第2回定例議会へ向けた補正予算の準備等も進めていただくようお願いします。併せて、私どもに寄せられている要望をお届けしますので是非検討し対応を要請いたします

1、 感染検査体制の確立と病院への支援
「発熱しても検査してもらえない。医師に相談しても検査までたどり着けない。」という声を多数いただきました。厚生労働省が示した基準が厳しいという批判は医師会からも上がっていますが、さらに地方自治体に対し厚生労働省はハードルを上げる指示を出し自治体において検査マニュアルに基づき検査を絞り込んでいたことが明らかになっています。東京の陽性率が50%を超えている状況は検査体制の遅れを示すものとして重大です。本市も例外ではないと思います。国の基準では、感染予防はできないと専門家も強く指摘をしています。本市は中核市として保健所ももっています。市独自の検査体制を早急に確立してください。
 ア、これまでの検査基準を即刻改め、医師が必要と判断した方については全員検査を行うこと
 イ、厚生労働省も自治体の対応として認めたドライブスルー方式での検査を行うこと
 ウ、病院での医療とは別に検査体制を構築することが求められています。発熱外来窓口の整備を進め、検査ルートを構築すること
 エ、自治体が行う検査体制への財政面の支援を国に要請すること
 オ、陽性患者の受け入れ病院への財政的支援を行うこと

2、軽症者の宿泊・療養施設について
 医療現場が大変な困難を抱えています。病院機能の維持と医療崩壊を起こさないために、軽症者等の宿泊・療養施設の確保を宿泊施設業者及び医師会等の協力を得、東京都とも連携し市独自に確保すること
 感染対策が長期に及ぶことが考えられます。現在働いていない看護師や保健師を早急に雇い入れ(臨時雇用も含め)、軽症者の医療・検査体制の確立・保健所機能の拡充に関わっていただくなど、市ができることを進めること

3、情報の公開と管理について
 保育施設での感染情報の扱いについて、他市において適切でなかったとされる事案も発生しています。
 ア、公的施設での感染情報の扱いは、まず市民への感染を防ぐ立場に立ち公表することを原則にし、適切な対応をとること
 イ、本市でのPCR検査数、感染状況、受診日、症状を公開し、退院した状況も更新し公表すること

4、自粛と補償に関すること
 国及び東京都も自粛を強く求めていますが、自粛を求めるのであれば補償を一体に進めることが必要です。全住民に一律10万円を直ちに支給せよという声は、日々強まり、知事会も一律支給の声を上げるに至っています。一律支給へと政府の方針転換が報道されています。
一律支給は手続きを簡素化し窓口の混乱や負担を軽減することにも繋がり、合理的です。
 ア、 市長会などを通じて国に全住民への一律10万円の給付実施と早期の給給付方法をとることを求めること
 イ、 建設関係労働者などから「フリーランスにあたるのか、我々の補償はどうなるのか」などの疑問や、「自粛が要請された3月頃から全く仕事が入らず無収入だ」との内装業者、「大手建設会社の現場作業員が感染したため工事現場が閉鎖され、収入がなくなり困っている。保証されるのかわからない」などの不安の声が寄せられています。組合や団体等を通して関係者に現在の補償の制度を周知すること
 ウ、 国制度はいつ給付ができるか全く不明であり、十分な制度とはなっていません。国・都制度の不十分さを補うため、自粛事業者や収入減となった中小零細事業者に対する市独自の給付制度を構築すること。 飲食店などへの家賃や水光熱費等固定費への支援は有効と考えます。(静岡県御殿場市では、市の要請に応じてナイトクラブなどが休業した場合、最大100万円の補償を行う。埼玉県川口市では、売上が減少した小規模事業者に、一律10万円を支給し、福岡市は市内の中小・小規模事業者に対し、店舗賃料の8割を補助する独自支援、山梨県富士吉田市では全市民に一律1万円支給するとしている)
 給付条件を満たさない市内中小零細事業者に対する無担保・無利子・返済猶予付き貸付を行うこと
 エ、 くらし応援事業として中小零細業者の事業支援や仕事興し対策での住宅リフォーム助成制度の導入、既存の太陽光発電に対する蓄電池追加設置への助成を可能とするよう制度拡充を求めます。
 オ、 図書館、資料館、体育館、市民センター、学校司書、給食調理、児童館、学童保育所など市の業務の縮小に伴い自宅待機などにより収入減となる関係者への補償を行うこと

5、国民健康保険制度について
 政府の「緊急経済対策」に国民健康保険料(税)の「免除等を行う」ことが盛り込まれました。保険税収減少分を国が全額負担するとしています。適用の範囲は市の判断に委ねられています。立川市では、国保の値上げを中止しました。新型コロナによる減収で苦しんでいる人たちへの速やかな減免を行うこと また滞納者を含め納付期限の延長を行うこと
 併せて6月議会へ向け国保税の引き下げの検討を進めること
 新型コロナウイルスに感染した場合、「傷病手当金」が支給されることになりましたが、対象が被用者に限られています。市の判断に委ねられているフリーランスや自営業者等も対象となるよう広げること

6、休校に伴う措置
(1)子どもの教育・居場所等対策
 学校や児童館等が休校や休館していることから、子どもたちの日常生活に大きな負担がかかっています。
 ア、 学童保育所の開設は、1校1学童ではなく実情に合わせ開設学童を増やし、3密対策が少しでも進むようにすること 待機児童の受け入れなど特別な措置を取ること
 イ、 保育所・学童施設では、感染防止へ対策や指導員自らの感染の危険性など通常にない緊張を強いられた長時間勤務となっています。保育所・学童保育所に対する支援を強化し保育士・指導員の処遇改善に務めること(人的支援と臨時手当支給など)
 ウ、 市民のくらしや医療を支える職場など、どうしても出勤しなければならない家庭や、事情を抱えた家庭もあります。家庭で過ごすことができない低学年児童について、学校への登校を認め給食等の対応を行うこと (小中学校で自主登校を認める自治体 町田、日野、小金井、三鷹、調布、稲城、文京、練馬など)。 
 エ、 学校サポーター等(有償ボランティア)の活用と生活補償措置を取ること  
 オ、 学校休校などの状況下で教育関係企業が、一層の収益拡大を狙って教育への参入機会を求めています。昨年度末に実施したベネッセ教材の配布は、特定企業の営利事業に肩入れしたもので、公教育が行うべきではないという声も寄せられています。また回収される教材を通して、点数など個人情報がベネッセへ提供されるのではないかと懸念されています。
 市教委として、ベネッセの教材を薦めているわけではないこと、成績評価にも関係ないことを明確にすること、また、回収した教材やその他の個人情報をベネッセに渡さないこと。

(2) 休校措置に伴う補償
 休校措置で給食事業が行われていないことから食材生産農家や給食関連業者に損害が生じています。補償と支援を速やかに行うこと

7、公衆衛生、保健所機能の充実
  イタリアでの感染拡大と多くの死亡者発生は、緊縮財政によって医療機関が縮小されたことが原因と言われていますが、日本の集中治療室(ICU)数はイタリアより少ないことが明らかになっています。この間保健所が縮小されたことも明らかになっていますが、新型コロナウイルス感染予防措置の第一線を担うのは、保健所や保健センターなど公衆衛生機関であり、役割は極めて大きく重要です。  
 ア、保健所、保健センターの機能の拡充を図ること
 イ、急性期病床の大幅削減となる公立・公的医療機関の再編統合の凍結と撤回を求めること