2026年第1回定例会本会議|補正予算等に対する会派代表質疑|2026年2月24日 望月しょうへい

【本会議1日目】補正予算等に対する会派代表質疑

2月24日(火)10:00開会

質問者:望月しょうへい(10:50頃登壇)


《質問項目》

1 ,第15号議案、令和7年度八王子市一般会計補正予算について

(1)市民生活の現状と地方創生臨時交付金の活用方針

(2)物価高騰対策給付金

   ア,支援の考え方

   イ,桑都ペイでの支給について

   ウ,なぜ給付額に差をつけるのか

(3)最高裁判決を踏まえた保護費等の追加給付

   ア,生存権の保障をめぐる自治体の責任


それでは、ただいま上程されております第15号議案、八王子市一般会計補正予算第7号につきまして、日本共産党八王子市議会議員団を代表し、質疑を行います。

はじめに、市民生活の現状と地方創生臨時交付金の活用方針について伺います。

現在の物価高騰は一過性のものにとどまらず、長期化の様相を呈しています。総務省が公表した直近の家計調査によれば、消費支出全体に占める食料費の割合を示すエンゲル係数は、2025年度に2人以上世帯で28.6%となり、1981年に28.8%となった以来の高い水準となっています。

食料品だけでなく、光熱費、日用品など生活に不可欠な分野を中心に価格上昇が続く一方、賃金の伸びは物価上昇に追いつかず、実質賃金は4年連続で減少し続けています。年金についても同様で、実質的な目減りが生じています。

こうした状況のもと、市民の暮らしが厳しさを増していることは、統計上も、また日常生活の実感としても広く共有されているところです。すでに、物価高騰の影響は低所得者層にとどまらず、中間層を含む幅広い世帯の家計に及んでおり、節約努力だけでは吸収しきれない状況に直面している世帯も少なくありません。

こうした点を踏まえ、市民生活の現状について、市長はどのように認識されているのか伺います。

次に、地方創生臨時交付金の活用方針についてです。

今回の補正予算には、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した複数の事業が計上されています。この交付金は、エネルギー価格や食料品価格の上昇など、物価高騰の影響を大きく受けている生活者や事業者を支援する目的で国が措置したものです。また制度上は、交付金の使途について、具体的な事業内容や重点分野の選択は、基礎自治体の判断に委ねられており、自治体の問題意識や政策的優先順位が色濃く反映される…という建付けにはなっています。

そこで伺います。

今回の地方創生臨時交付金の活用にあたり、市として特に重視した点は何であったのか。また、物価高騰対策全体として、どのような基本方針のもとで事業内容を検討し、決定したのか市長の考えを伺います。

次に、物価高騰対策給付金について伺います。

財源である地方創生臨時交付金は、本来、先ほど述べたように地域の実情を把握する自治体が問題意識に基づき創意工夫を行い、効果的な支援を行うことを想定しているはずです。しかし実際には、一律給付など効果検証も十分に行われないまま繰り返し政策が実施されています。そのたびに国民からはバラマキとの批判が寄せられ、自治体からも事務負担の過重さが指摘され、一部の首長からも批判が出ています。

今回予定されている給付金についても、各自治体で給付額や種類に違いはあるものの、それぞれで一律給付が行われる見込みとなっています。これは、地方自治体が国の方針に従い、批判があっても画一的に同様の給付を実施せざるを得ないという国と地方自治体のゆがんだ関係であり、地方自治の原則が形骸化している状況と言わざるを得ません。

また、給付の効果検証が十分に行われないまま、次の給付が繰り返されている点についても、地方から問題提起して是正を求めていく必要があると強く感じています。

これらの点について、市長はどのように認識されているのか伺います。

給付額についても、一時的に助けになる市民はいるものの、結局のところは物価上昇分を十分に補える水準とは言えず、抜本的な支援にはなっていません。

私どもは、全国的な物価高騰への対応は、本来、国が責任を持って行うべきであると考えています。とりわけ、世論調査において多くの国民が求めている消費税減税をはじめとする実効性のある物価高騰対策を早急に実施すること、あわせて賃上げ促進や社会保障制度の充実を図ることなど、市民生活を支える基盤づくりは国の役割です。その土台の上で、基礎自治体は、なおも生活が厳しい状況に置かれている方々に対し、きめ細かな支援を上乗せしていくことが本来の姿であると考えます。

そこで伺います。

市長として、国に対し、消費税減税を含む実効性のある物価高騰対策の早期実施を求める考えはあるのか市長のご所見を伺います。

次に、桑都ペイ事業に係る委託料について伺います。

桑都ペイは、市内消費の喚起と地域経済の活性化を目的としたデジタル地域通貨であり、今回の給付事業にも活用されています。一方で、私ども会派は多額の事務経費を要するにもかかわらず、市民利用者への直接的な還元が限定的であること。そして、民間との競争も激しくなる中で利用可能店舗数や利便性において自治体主導のデジタル地域通貨が優位に立つことは難しく、多額のプレミアム付与や委託費を支出し続けるという点で持続可能な制度ではないと考えています。また、そもそもスマートフォンを持たない方または桑都ペイを利用しない市民、加盟店でない事業者は制度の恩恵を受けられず不公平であると指摘もしてきました。

今回の桑都ペイによる給付事業に関連して、委託料として9,000万円が計上されています。すでに業者に対しての委託料は、2024年度から2026年度までの3年間で、当初予算ベースで合計1億1,300万円余りが支出または計上されており、これに加えて今回の委託費が上乗せされる構図となっています。

市はこれまでの議会において、桑都ペイの今後の方向性として桑都ペイの活用を拡大し、事業効果を高めていく。との方針を答弁しています。

しかし、今後も桑都ペイを各事業に紐づけて活用を拡大するたびに、特定の委託事業者に多額の委託費を支払い続けることになり、委託費総額の増大や費用対効果の検証が困難になる懸念があります。

また、今回の給付総額約31億3600万円のうち、約6割は桑都ペイで支給される見込みと聞いています。一方で、現状の利用者は市民全体の3割未満にとどまっており、この見込みが妥当なのか疑問があります。

そこで伺います。

桑都ペイを活用するごとに委託費が増加し、特定企業への支出が膨らむ構図は適切と考えているのか、また利用実態と照らして、給付見込みおよび委託費を妥当と判断した根拠について、それぞれ副市長の見解を伺います。

次に、給付額の差について伺います。

今回の給付では、桑都ペイによる給付が6,000円であるのに対し、現金給付は5,000円と差が設けられています。

桑都ペイ利用者も現金利用者も、物価高騰の影響を受けている点に変わりはありません。生活支援は本来、一定の影響を受けている市民が等しく確実に支援が受けられる制度設計をするべきと考えます。また生活圏域も市内が中心の方もいれば、隣接する他市が中心の方もいます。現金決済の方もカード決済の方もそれぞれです。その点を踏まえて考えると、桑都ペイを利用しているという条件を満たせば、給付額が増えるという制度設計で果たして生活に困窮する市民へ最大限の支援を届けられるのか懸念を感じています。

そこで給付額に差を設けることの公平性について、市長はどのように考えているのか伺います。

最後に、生活保護基準引下げをめぐる最高裁判決を踏まえた対応について伺います。

国は2013年から2015年の間、3回に分けて最大10%、年間削減額670億円というという史上最大の生活保護費引下げを行いました。その違法性を争う裁判において、最高裁判所は2025年6月に、厚生労働大臣の判断には裁量権の逸脱・濫用があり違法であるとして、各地で行われた保護変更決定処分の取消しを命じる判決を下しました。

判決は、引下げの根拠とされたデフレ調整について、専門的知見を踏まえた合理的な検討や手続が欠けていたと明確に指摘しています。

同時に、この判決は、生活保護制度が憲法25条に基づく生存権保障のセーフティネット制度であり、その基準改定については、高度な専門性と慎重さを要することを改めて確認したものとなっています。

市長は以前、わが会派の鈴木ゆうじ議員の一般質問に対し、「生活保護は憲法25条に基づく最後のセーフティネットであると認識している。また、国で行われている生活扶助基準見直しの議論の状況を注視して、生活保護行政の適正な実施に努めていく」と述べる一方、国に対して保護費切り下げの是正を求める立場は明確にされませんでした。今回の補正予算では、厚生労働省が最高裁判決を受けて、追加給付を決定したことに伴って準備経費が計上されています。しかし、報道をみてみますと厚労省は引き下げの根拠、算定割合を変更することで、差額分の一部支給にとどめる内容となっています。これは、原告らが求めたように引き下げ前の基準にさかのぼって全額補償するものではありません。こうした国の姿勢は、判決の趣旨に正面から向き合う姿勢とは言い難く、生活保護制度の根幹を揺るがすものです。また、当時の引下げは生活扶助基準だけでなく、母子加算や障害者加算にも影響し、延べ約443万人に及んだことが厚生労働省の資料で示されています。それにもかかわらず、国は引下げ前の基準への全面的な回復や十分な補償を行っていません。

いうまでもなく、生活保護制度は、生存権を保障する最後の命のとりでです。国の判断によってその水準が恣意的に引き下げられるのであれば、地方自治体が担う生活保護行政そのものが、生存権を保障するという憲法の要請に応えられなくなり重大な問題です。

そこで伺います。

最高裁判決が示した国の責任と判断の誤りを踏まえ、市長は、生存権を保障する生活保護制度を機能させる立場から、国に対して生活扶助基準引き下げの撤回および是正を強く求めるべきだと考えますが、市長の見解を伺います。

以上で、代表質疑を終わります。


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令和7年度2月補正予算(案)|八王子市公式ホームページ