2025年第4回定例会本会議|第163号議案および第164号議案に対する反対討論|2025年12月18日 わたばやしゆか

それでは、第163号議案および第164号議案、財産の減額貸付について、日本共産党八王子市議会議員団を代表し、反対討論を行います。

本議案は、指定管理者制度を導入している6園の市立保育園のうち2園を公私連携型保育所に移行し、市所有の土地・建物等を来年度から10年間にわたり減額で貸付を行い、保育運営を行わせるものです。

公私連携型保育所とは、市と「協定」を締結し、公私連携法人として市から指定を受けた法人が運営する保育所を差します。協定を結ぶことで一定の関与は残しつつも、市の認可保育所と同様の、民間園としての運営となります。

指定管理園はこれまで、障がい児保育の受入れなど公立保育所としての重要な役割を果たしてきました。公私連携型保育所への移行により、協定の内容に障がい児保育の受入れを盛り込むことで、これまでと同様の水準での保育を提供できるようにするということです。市は、指定管理者制度から公私連携制度に移行し、より長期の協定期間を定めることで指定管理者制度よりも安定的に民間にまかせて運営ができるとしています。

しかし、すでに現行の指定管理者制度においても今回設定された協定期間と同様に最長で10年間、同じ指定管理者に任せることができる仕組みとなっています。このことからも、協定そのものが長期にわたり安定的な運営を保証する唯一の手段ではありません。さらに、協定期間を終えた後、公私連携型保育所として継続する場合は、再度公募によって連携法人を決定していくことになります。結果として、今回の移行では2園ともこれまでと同じ法人が運営を引き継いで行っていくことにはなりましたが、協定期間満了を迎える10年後には運営者が変わる余地が残されています。運営主体が変われば、当然保育方針なども変わり子どもたちへの影響や職員の待遇など保育の質にも影響を及ぼす可能性があります。加えて、公私連携型保育所としての運営を継続すること自体も、今後の動向をふまえてこれから検討していくという説明がありました。つまり10年後は、協定を結ばずに通常の民間園として運営する可能性もあるということです。そうなれば、公立保育所としての機能は終わります。保育は子育て支援の基盤であり、公的責任として安定的にサービスが提供されるべきであるにもかかわらず、公的責任の継続が確約されていないことは重大な問題です。

全国的にも、公立保育所の減少が続いています。2000年度から2024年度にかけて、保育施設数は全国で1364カ所増えましたが、その一方で、公立保育所は5857カ所減少し、保育所全体に占める割合は57.3%から29.1%と大きく低下しています。

保育所の施設数は増えているのに、公立保育所が減少している主な要因は、自治体の財政状況や国による規制改革の流れの中で公立保育所の民営化による私立保育所への移管・移譲が行われてきたことにあります。本市でも80を超える認可保育所がある一方、公立保育所は16園にとどまっています。多様な保育ニーズへの対応など民間園との連携は重要ですが、公立保育所や公的責任の縮小・後退を招く方向で進むべきではありません。国が公立保育所における整備費や運営費補助について一般財源化を進めたことで全国的にも民営化の動きが進み、本市においても公立保育所である指定管理園の公私連携型保育所への移行が進められようとしています。しかし一般財源化された後も、実際には地方交付税措置がされています。財政効率だけを優先し、公的責任をないがしろにするべきではありません。本議案における減額貸付による公私連携型保育所への移行は、公立保育所が担う公的役割や行政が果たすべき安定した保育の提供を後退させるリスクがあり反対です。

以上で反対討論を終わります。


【議案に対する各会派・議員の態度】

※1)敬称略
※2)美濃部弥生議員は議長のため採決に加わらず

○賛成32名

(自民党)長谷川順子、内田由香利、立川寛之、西室真希、岸田功典、小林秀司、川村奈緒美、吉本孝良、福安徹、岩田祐樹、鈴木レオ

(公明党)古里幸太郎、森重博正、日下部広志、冨永純子、渡口禎、中島正寿、久保井博美、五間浩、村松徹

(立憲民主)浜野正太、九鬼ともみ、森喜彦、安藤修三、小林裕恵

(諸派)舩木翔平、高橋剛、玉正さやか、金子アキコ、山本貴士、及川賢一、星野直美

✕反対5名

(共産党)綿林夕夏、望月翔平、市川克宏、石井宏和、鈴木勇次