2025年第4回定例会本会議|第158号議案および第179号議案に対する反対討論|2025年12月18日 市川かつひろ
ただいま上程されております第158号議案「八王子市図書館条例の一部を改正する条例設定」について、第175号議案及び第179号議案「市立学童保育所の指定管理者の指定」について、日本共産党八王子市議会議員団を代表し、反対の立場から討論を行います。
はじめに、第158号議案「八王子市図書館条例の一部を改正する条例設定」についてです。
図書館は、教育基本法において「社会教育の振興に努めなければならない」と定められており、人々がこれまで積み上げてきた、様々な知識や情報を多様な観点や立場に留意しながら資料として収集し、利用者に提供する機関であるとともに、市民が自由に学ぶ権利を保障する社会教育の場でもあります。
本市の公立図書館は本館の中央図書館をはじめ3分館、5つの分室で構成されています。本議案は、八王子駅南口集いの拠点(桑都の杜)整備・運営事業における「憩いライブラリ」を八王子市図書館として新たに加えるものです。
しかし、本議案の最大の問題は、条例上、すべての図書館に指定管理者制度を導入することができるということにあります。
2021年度時点で民間企業を指定管理者としている全国の図書館は592館あますが、そのうち株式会社・図書館流通センターが377館で、実に63.7%を占めています。図書館の指定管理者制度は、民間企業が大部分を占めており、一社による寡占状態になっているのが実情です。また、「尚絅大学(しょうけいだいがく)」の桑原芳哉氏の研究論文によれば、契約更新時に事業者が変更になった事例が全体の15%にのぼり短期間で事業者の変更を繰り返す事例があることも明らかにされています。
実際に、指定管理者制度を導入した茨城県守谷市(もりやし)では2016年度から2018年度までの3年間、図書館運営を「図書館流通センター(TRC)」などの共同事業体に委託したものの、2019年4月に、守谷中央図書館と分室の運営を指定管理者制度から直営へ戻しました。
その最大の理由は、常勤職員の専門司書比率が低下し、専門性不足が顕著になったことで、運営上の不手際や利用者からの批判が相次いだためです。
図書館は「単なる施設管理」ではなく「教育・文化の拠点」です。指定管理者制度導入によって、かえって専門性の低下や市民協働が失われれば、図書館そのものが成り立ちません。
「図書館本来の目的を達成するうえで」図書館政策においては、効率性より専門性、コスト削減よりも市民の学ぶ権利の保障、協働を優先すべきであります。
本議案における条例改正には、既存の公立図書館に指定管理者制度を導入する余地があることから、第158号議案に反対します。
次に、175号議案及び第179号議案「市立学童保育所の指定管理者の指定」についてです。
本議案は、これまで15年にわたり市内の学童保育所を運営してきた株式会社が、都内23区を中心とした事業に集中したいとの理由から、本市の学童保育事業から撤退し、あらたに新規の株式会社を指定管理者に指定するものです。
学童保育は、子どもの権利と尊厳を守り、放課後や休みの日に、子どもたちが生活の場として安全に安心して過ごすうえで、社会的に必要不可欠な施設であり、重要な社会的役割を果たしています。
わが会派は、学童保育を営利事業ではなく社会福祉法に基づく福祉事業として、行政が責任をもって、子どもたちが安心して暮らせる基盤を整備することが必要と考えるものです。
学童保育は「子どもの生活の場」であり、また長期的に子どもを支える場である以上、事業者の継続・安定性が強く求められます。
また自主運営の学童クラブなどからつくり上げられてきた本市の学童保育の歴史を踏まえれば、地域や保護者との交流や地域の信頼や協働など、地域に密着し、「子どもと保護者との安心性」を維持した学童保育運営が不可欠です。
さらに学童保育指導員は高い専門性が求められます。処遇改善と安定した人材確保は公的責任のもと行うべきです。
そのうえで、学童保育事業に株式会社が指定管理者として参入することは、子どもの安全・育成、「子どもの福祉」という学童保育事業本来の目的と株式会社における「効率性」と利益追求の論理が衝突する根本的な問題があります。
株式会社は人件費をはじめとしたコスト削減を優先することから、人材確保と安定した雇用、さらに保育の質の低下を招く懸念が生じます。
また、自治体の監督責任においても契約管理にとどまるため、監督が不十分になりかねません。
埼玉県春日部市では、指定管理を受託した株式会社が常勤支援員を確保できず、保育の質が低下したこと、また協定違反を追認する形で自治体が企業の不履行を容認し、住民から批判を受け住民訴訟に発展しています。
以上のことから株式会社による学童保育事業の指定管理は、本市が目指すべき「子どもと保護者との安心性」を維持した学童保育運営にふさわしいとは言えず反対です。
以上、日本共産党八王子市議会議員団の反対討論といたします。
【議案に対する各会派・議員の態度】
※1)敬称略
※2)美濃部弥生議員は議長のため採決に加わらず
○賛成32名
(自民党)長谷川順子、内田由香利、立川寛之、西室真希、岸田功典、小林秀司、川村奈緒美、吉本孝良、福安徹、岩田祐樹、鈴木レオ
(公明党)古里幸太郎、森重博正、日下部広志、冨永純子、渡口禎、中島正寿、久保井博美、五間浩、村松徹
(立憲民主)浜野正太、九鬼ともみ、森喜彦、安藤修三、小林裕恵
(諸派)舩木翔平、高橋剛、玉正さやか、金子アキコ、山本貴士、及川賢一、星野直美
✕反対5名
(共産党)綿林夕夏、望月翔平、市川克宏、石井宏和、鈴木勇次


