愛知県新城市、長野県泰阜村、飯田市を視察
10月21日(火)から23日(木)にかけて、愛知県新城市・長野県泰阜村・飯田市を日本共産党八王子市議団として視察しました。
参加者:石井宏和、市川克宏、望月翔平、綿林夕夏
【1日目】愛知県新城市
▼ 女性議会の取組
新城市の女性議会は、新城市自治基本条例(2013年制定)に基づき、市民の多様な参加の機会を設け、みんなが当事者となってまちづくりを進めるとともに、女性の市政への参画を積極的に推進し、女性の視点で提案することにより市政やまちづくりに一層関心を深める機会をつくるために実施してきました。
「市民が主役のまちづくりを推進し、元気に住み続けられ、世代のリレーができるまちを協働してつくること」を目的とする自治基本条例が土台となって具現化としていることを強く感じました。
▼ 地域公共交通の取組
新城市は人口約4万人、面世は499.2K㎡(森林面積が約8割)と広大な面積をもつ自治体です。市内10の地区設けられた地域自治区制度によるまちづくりを市民協働部が担い、地域住民が作成した持続可能な地域づくりに向けた「地域計画」に基づく地域の状況に即した「くらしの足」(交通)の確保に取り組んでいます。コミュニティバス(Sバス)は12路線あり、定員や便数もさまざまで地域の実情に合わせています。
新城市の自治基本条例の精神が交通の分野においても発揮され、まちづくりに寄与していることを強く実感しました。
【2日目午前】長野県泰阜村
▼高齢者在宅福祉事業の取組
泰阜村は人口約1,400人の長野県南部の県境地域の自治体であり、主に社会福祉協議会が村から受託し在宅福祉サービスを提供しています。介護保険制度ができる前から在宅福祉を村が住民に対して提供する枠組みを作り運用してきた歴史があります。介護保険制度の限度額上乗せ分は全額、介護保険利用料の自己負担分の6割を村が負担していることが特徴です。
泰阜村が高齢者福祉に力を入れたのは、「弱い人が暮らしやすい村にしてこそ、若い人も含めた全ての人が暮らしやすい村になる」という当時の首長の強い理念があったからだといいます。
泰阜村と本市では、人口規模が大きく違うため、泰阜村と同じことができるかといえば難しいかもしれませんが、泰阜村の理念はどの自治体にも通じるものであり、過大な自己負担なく必要な福祉を提供する仕組みを国に求めながら、本市でも講じていかなければならないと感じました。
【2日目午後】長野県飯田市:おひさま進歩エネルギー株式会社
▼再生可能エネルギーの活用について
川を使って600世帯分の電力を生み出している野底川小水力発電所ならびに市民などから運営資金を調達しながら再生可能エネルギーを活用し、周辺自治体の地球温暖化防止計画策定などにも携わるおひさま進歩エネルギー株式会社に伺い、市民や地元企業、自治体が一体的に実施している再生可能エネルギー活用に向けた取組を視察しました。
視察を通じて感じたことは、再生可能エネルギー活用を単純に環境を守るというだけでなく、市民や事業者、自治体と一体的にまちづくりに活かしているという点です。飯田市のこれまでの歴史の中で、市民の中にも自分たちが使うエネルギーは自分たちで確保する「エネルギー自治」という考え方が根付いていることも再生可能エネルギー活用に向けた後押しとなっています。広い視野で再生可能エネルギー活用に向けた取組の考え方をまとめ、市民や事業者にも訴求していく取組が求められていると感じました。
【3日目】長野県飯田市
▼ゼロカーボンシティ推進計画、地域公共再生可能エネルギー活用事業について
飯田市は、日本で初めて住民主体の電気利用組合による小水力発電を行い電気の地産地消を進めた伝統があり、環境文化都市宣言を行い自然との共生を重視したまちづくりに取り組んでいます。2021年には、市議会と商工会議所と市の3者共同でゼロカーボンシティ宣言を行い、温室効果ガス排出量削減など進めています。
本市でも、地域のさまざまな主体が発電や節電や電力の自給に取り組めるよう、そのための仕組みづくりや発信を進めていきたいと感じました。




