2025年第1回定例会本会議|2025年度予算案に対する意見|2025年3月25日 望月しょうへい

 

日本共産党八王子市議会議員団を代表して2025年度予算案に対する意見を述べます。
今年度予算案は骨格予算での提案でしたので、新年度予算案はまさに初宿市長が今後の八王子市をどう かじ取りしていくのか、市民が市政に求める願いにどう寄り添いこたえるのか初宿市長のカラーが最も反映される重要な予算であると考えています。私ども会派としても、これまで請願などを通じて市政に寄せられた声に向き合い、市政を前進させるべく最大の努力を行ってまいりました。市長ご自身もこの間、多くの市民、団体の方々と懇談を行い、真摯に対話を重ねられた中で市政に反映させるべく努力されてきたことは評価するものであり、今後も継続して取り組んでいただくようまず初めに要望いたします。

新年度にはいよいよ市内全ての小中学校体育館に空調機が設置されます。2022年に提出された全校設置を求める請願審査の際には、都内で最も遅れた八王子市の状況に対し請願代表者からは「八王子格差」と厳しい批判が寄せられ、教育環境の改善に向けた抜本的な努力が求められました。請願審査の中では議会の足並みが揃いませんでしたが、その後も子どもたちからは街頭で早期設置を求める切実な声が寄せられ、市民も請願だけでなく様々な場面で要望を続けるなど努力を続けてきました。学校給食費の無償化が新年度も引き続き継続することとあわせていずれも市民の努力と市長の決断によるものであり評価してきました。

新年度においては、戦後80年の節目を迎えるにあたり、本市でも原水爆禁止八王子協議会の方々を中心に繰り返し要望されてきた被爆樹木2世の植樹が予定されています。協議会のメンバーにはノーベル平和賞を受賞した日本被団協で活動されてきた方もおり、要望の実現は核のない平和な世界をつくるために長年にわたって活動されてきた市民を励ますものと考えます。世界を見ますとロシアとウクライナ、イスラエルとハマスの戦争が続いています。今こそ国連憲章ならびに国際法に基づく公正な平和的解決に向けて国際社会の連帯が求められています。しかし、アメリカのトランプ政権は、国連憲章と国際法を公然と投げ捨てる言動を行い、軍事費の増強や核抑止力の強化に踏み出そうとしています。日本政府は、「核兵器の非人道性」を認めながらも、「いざとなったら核兵器を使う」核抑止論を前提としており、矛盾する態度をとっています。被爆80年の今年、非核平和都市を宣言している八王子の市長がリーダーシップを発揮し、平和行政をさらに推進するよう求めます。

また、私たち会派が繰り返し求めてきた補聴器購入費助成について所得制限なしで実施されることは、聞こえづらさに悩み高すぎる補聴器費用を支援してほしいと願ってきた市民からも喜びの声が上がっており評価します。会派とともに私も市民の切実な声を受け一期目から求めてきましたが、当初は市も「補聴器をつけることと健康リスクの因果関係を含め国の調査を注視する」と制度実施に後ろ向きでした。繰り返し求める中で、市としても実態調査が行われ、医師など専門家への聞き取りなどを経て制度実施となりました。制度実施に向けて様々な苦労もあったかと思いますが、引き続き対象となる購入店の拡大など市民の声を聞きながら利用しやすい制度に向けて購入後を含む支援制度の充実や情報発信を求めるものです。

また部活動の地域移行についても私ども会派を含め複数の議員が取り上げました。部活動は学校生活の中で最も印象的なものとしてあげる子どもたちもいて、仲間たちとの絆を深めるなど部活動を通じての教育的効果、意義は誰もが認めるところだと思います。同時に部活動はこれまで各学校や教員の負担によって支えられてきました。しかし、今日の教員不足のもとでこれ以上支えきれないという課題を抱えています。私ども会派としても非常に難しい問題と考えていますが、子どもたちを中心に置いて考えるということを常に大事にしてきました。地域移行が家庭の経済状況によって経験の格差を生み出すことのないよう、子どもたちの利益を最優先に考えること。そして教員不足という根本的な課題解決に向けて一層取り組んでいただくよう求めるものです。

個々の政策では評価する点がある一方で、物価高騰などで苦しむ市民に対して新年度予算案は大きな問題を抱えています。まず市長の提案説明でも示された予算編成の前提となる政府の経済見通しは市民の実態と乖離しています。経済政策の失敗による金利差拡大などを背景に物価が高騰し、実質賃金は下落、年金も目減りする中で幅広い世代の暮らしは深刻な状況です。それを示すように、市税白書2024年度版によれば、2019年度の差し押さえ件数が1469件であったのに対し、2022年度が5952件、そして2023年度は1万2162件と4年前と比較して8倍以上と異常な事態となっています。今政治に求められていることは、こうした厳しい市民生活に真正面から寄り添い支援する姿勢です。

しかし市長の提案説明では、この厳しい市民生活のもと八王子市がどう責任を果たすかという方向性は残念ながら明らかにされませんでした。私どもが感じたこの大きな違和感を象徴し、最も問題だと感じているのが国民健康保険税の値上げ方針です。値上げは8年連続であり、市民の方からも毎年、国民健康保険税の値上げ中止を求める請願が提出されています。また昨年度決算における審議の中で私どもは、保険給付費で保険税収入の約1割に相当する13億7000万円もの不用額を出していることを明らかにし、値上げする必要はなかったと指摘しました。東京都は私どもの指摘を実質認めて、都への納付金を13億9600万円減らしました。しかしその減額分を市民に還元せず、市はこれまで行ってきた一般会計からの法定外繰り入れをなくして負担増をさらに進めようとしていることは問題です。国民健康保険制度は社会保障制度です。そして社会保障は、支払える能力に応じて税を納める応能負担が原則です。ところが市が示すモデルケースでも、給与収入400万円の夫婦と就学児の子ども2人の4人世帯では、年間58万5500円で給与収入に占める国保税額は14.6%、年金収入400万円の夫婦2人世帯でも1割近い負担となっています。他の被用者保険と比較しても、支払い能力を超えた負担であることは明らかです。所得水準に対し、税負担が重いという国保制度が抱える構造的な課題は誰もが認めています。国や都が社会保障を守るという責任を果たさないもとでも、最も大事な命に関わる制度において一般会計からの繰り入れを維持し、拡大していくことで市民負担を増やさないということは市の責任として当然のことです。繰り入れをなくし納付金が下がったもとでも負担増を続ける市の姿勢は決して認められません。

困難を抱えた市民が最後の砦として頼るのが生活保護行政です。本市では職員による不適切発言を受けてまとめた再発防止に向けた取組スケジュールの最終年度でした。どのような状況下でも人権侵害や不適切な運用が許されないことは当然のことですが、全国的に問題が続発している要因として、ケースワーカーの人数が不足し体制が脆弱となっていることがあります。取組が評価されている小田原市においても問題が発覚したのちにまず取り組んだことは人員体制を拡充することでした。専門職の配置とともに、ケースワーカーを増員し社会福祉法における標準数の充足に向けた努力を続けています。しかし本市では、標準数の充足には遠く及ばず、平均担当世帯数は114世帯となっています。問題発覚後から現在に至るまで人員体制が改善されるどころかむしろ悪化している状況は認められません。二度と同じような問題を起こさないためにも市民も職員も大切にされる職場づくりに向けて、全庁的な危機意識をもって取り組むことを強く求めます。

次に日中活動系事業所運営安定化補助金、いわゆる家賃補助について月額上限10万円をさらに月額2万円、年最大24万円引き下げることも問題です。私どもはこれまでも市が本来果たすべき施設整備を障がいのあるお子さんを持つ保護者の方などを中心に地域で設立された経過や赤字事業所が4割に増えていることも明らかにして家賃補助継続と拡充を求めてきました。議会での議論だけでなく、施設側からも家賃補助をなくさないでほしい。このままでは運営がやっていけないと繰り返し切実な声とともに要望が出されていることは市もご承知のとおりです。しかし市は、昨年12月16日に行われた事業者向け説明会でも明確な減額方針も伝えず、金額すら示していません。さらに私どもが連絡した事業所の方も補助上限額が減額されることを3月時点でも知りませんでした。施設運営において重大な影響を及ぼす決定が事業者に対し明確な説明もないまま強行されることは決して認められません。補助減額を中止すべきです。 

カーボンニュートラルをめざす取り組みについて、温暖化対策事業の多くが減額となっていることも問題です。地球の温暖化が止まらず、危機的状況が進行するなか、議会から喫緊の課題であると提言がされたばかりです。提言の中で特に強調されたZEB事業の取組も何も見えず、提言を踏まえ取組を強化すべきです。環境教育の拠点とし、その取り組みの芽も感じるあったかホールの行方も大変気がかりです。

川口区画整理事業ですが、事業の進捗率は37,2%ということですが、助成金交付率が59,1%に達しています。市は事業進捗に合わせ、確認をして交付すると議会答弁でも応えてきましたがそうなっていません。厳格であるべき執行上の約束が果たされておらず重大な問題です。

最後に、他の会派からも指摘がされました桑都ペイについて新年度も継続することは認められません。私どもは当初より、自治体が発行する地域通貨は民間との競争は避けられず多くの税金を支出することから問題であると指摘を行ってきました。桑都ペイの活用にこだわるあまりに他の自治体における類似事業と比較して、多額の事務経費がかかるという問題も指摘したばかりですが、市長は代表質疑の中で今後も各事業におけるインセンティブに桑都ペイを活用すると答弁しました。桑都ペイの最大の問題は、桑都ペイを活用するたびに、桑都ペイを利用する市民とそうでない市民との間にサービスを享受できる・できないという差別、選別をもたらすことにあります。こうした制度設計を自治体が進めることは大きな問題であり、非効率的な事務経費を要する桑都ペイ事業はやめるべきです。

以上で2025年度予算案に対する意見とします。