2025年第1回定例会本会議|2024年度補正予算等に対する会派代表質疑|2025年2月26日 わたばやしゆか
ただいま上程されております各議案につきまして、日本共産党八王子市議会議員団を代表し、質疑を行います。
第42号議案2024年度八王子市一般会計補正予算(第6号)について、順次伺います。
1,物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金について
まず、歳入についてです。
国庫支出金のうちの物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金が4億2788万円の減額補正となっています。その内訳は、2024年6月補正予算に計上した「2024年度住民税非課税世帯等への臨時特別給付金」の精算で13億減額し、追加の交付金8億円が入ることによるものと聞いております。
2024年6月補正予算の住民税非課税世帯等への臨時特別給付金事業では、2024年度新たに非課税世帯となった世帯への10万円の給付とこども加算、また、定額減税しきれない方への調整給付金という内容に事業費49億円を計上しました。この予算額の4分の1にあたる13億942万円が整理分として計上された要因と執行状況について伺います。【質問1】
続いて、追加交付金の効果的な活用についてです。
昨年11月22日に閣議決定された「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」には、低所得世帯支援枠について給付金の支援を行うとともに、物価高騰の影響を受けた生活者や事業者を引き続き支援するために重点支援地方交付金を追加する旨が盛り込まれました。
自治体の裁量で選択し活用する重点支援地方交付金の推奨事業メニューは、物価高騰に伴う低所得世帯や子育て世帯への支援をはじめとした生活者支援と、医療・介護・保育施設や農家、中小事業者など、物価高騰の影響を受ける事業者支援の2つに分かれ、合わせて8項目のメニューが示されています。
本市における今回の補正予算では、追加交付金として8億7700万円を計上しており、桑都ペイを活用した子育て世帯物価高騰支援臨時給付金をはじめ6つの事業を補正予算に組み込んでおります。
追加交付金を効果的に活用していくうえで、どのような点を重視し、事業を組み立てたのか、今回の補正予算における交付金の活用についての市の考えを伺います。【質問2】
2,子育て世帯物価高騰支援臨時給付金について
次に、歳出について、個別の事業を順次伺ってまいります。
まず、子育て世帯物価高騰支援臨時給付金についてです。
国が示す重点支援地方交付金の推奨事業メニューの項目の一つには、「エネルギー・食料品価格等の物価高騰に伴う子育て世帯支援」があり、その事例として、学校給食費の支援、一人親世帯への給付金支援、子ども食堂に対する負担軽減のための支援やヤングケアラーに対する配食支援などがあげられています。
本市では、0歳から18歳までの児童80,000人に対し一人あたり5,000円分の桑都ペイのポイントを保護者に支給するという方法で、子育て世帯物価高騰支援臨時給付金事業を実施しようとしております。
わが会派が疑問視しているのは、なぜ、現金給付ではなく、7割以上の市民が利用していない桑都ペイで支給するのか、という点です。
例えば、児童手当や児童扶養手当で支給している口座へ現金給付した方が迅速かつ効率的です。本市においては2021年に子育て世帯生活支援特別給付金事業を行った際に、児童手当や児童扶養手当の受け取り口座を活用しています。また、佐久市では国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、ひとり親家庭への臨時特別給付金を実施しています。手続きは不要で、児童扶養手当の受け取り口座へ振り込むとしており、本年度中に振り込みが完了するとのことです。他の自治体ではできていることが、なぜ、本市ではできないのでしょうか。ポイント付与の二次元コード発送時期が今年6月以降となることからも、迅速な給付とはいえません。本市の子育て世帯物価高騰支援臨時給付金事業において、現金給付ではなく、あえて桑都ペイを活用する理由をお答えください。【質問1】
次に、委託料についてです。
本事業では、4億円の給付のために9500万円の委託料が計上されています。事業費のうち委託料が19%を占めており、給付金の総額との比較で見ると2割を超えています。
ポイント付与ではなく、児童手当の受け取り口座などを活用しプッシュ型で直接給付する方法をとれば、発送通知業務もコールセンター業務も必要なくなる経費です。先ほど紹介した佐久市の事業では、事業費全体で1482万9000円が計上されておりますが、そのうち給付金額は総額1440万円となっており、事業費の97%が給付金で、事務経費はわずか3%です。
プッシュ型による他の自治体の類似事業と比較して、事業費全体のうち委託料が19%を占め、児童一人当たり1187円の委託料が発生しているというのは、費用対効果として悪いと考えますが、市の見解を伺います。【質問2】
また、前回の桑都ペイ事業では、なりすましなど犯罪行為が誘発されました。今回、二次元コードを発行するということですが、前回の反省をどう生かし、再発防止対策をとっているのか、市の見解を伺います。【質問3】
3,電気・ガス料金高騰対策事業者支援について
最後に、電気・ガス料金高騰対策事業者支援についてです。
2023年度決算審議において、行政執行上の問題点の1つとして「電気・ガス料金高騰対策事業者支援事業」があまりにも執行率が低いことを指摘しました。当事業は、4億595万5,000円の事業者支援金に対し、執行額は3,543万2,000円、予算比執行率は8.7%、交付実績額は571万円であった一方で、2,750万円が委託料として支払われました。本来支援すべき事業者よりも委託業者に支払われた額が多いという結果になりました。本補正予算で再度、同様の趣旨の事業を行うとのことですが、わが会派が指摘した問題をふまえ、どのような検証をおこなったのか、市の見解を伺います。【質問1】
我が会派が懸念しているのは、今回の事業が、支援を必要とする事業者に行き渡る制度設計になっているのかという点です。前回は連続する2ヶ月の合計で前年同月より7万円以上、1ヶ月平均にすると3万5千円以上、電気代もしくはガス代が上昇したという要件で5200者を想定していたとのことでした。しかし、国で実施した「電気・ガス価格激変緩和対策」において使用量に応じた料金の値引きがされたこともあり、結果は65件にすぎませんでした。今回は連続する3ヶ月で月平均1万円以上もしくは10%上昇という要件にしていますが、市の要件の2024年4月から2025年3月という期間中、国の補助金による電気ガス料金支援策は、2024年4月、8月から9月、2025年1月から3月で出ております。また、2024年5月と10月は値引き幅を縮小して補助をしております。国の補助金をうけない月はわずか、6~7月と11,12月のみとなります。市の示す要件に小規模事業者ほど恩恵がうけられないのではないか、再び想定に届かない結果になるのではと、強く危惧しています。
本補正予算の事業では1500者程度をみているということですが、その根拠をお示しください。【質問2】
また、事業者の決算利益が赤字または営業利益率が前期より改善されていないことを証明することが、対象事業者の負担になっていないかと懸念します。緊急性が求められる支援に、赤字や営業利益率を証明させることが、果たして必要なのか、市の見解を伺います。【質問3】
以上で日本共産党八王子市議会議員団の代表質疑を終わります。
=== 市側の回答 ===
1.物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金について
【答弁1】 生活福祉担当部長
「令和6年度住民税非課税世帯等への臨時特別給付金」の整理補正の要因と執行状況についてですが。
定額減税しきれないと見込まれる方への調整給付金は、約72,000人に支給済みですが、住宅ローン控除を適用されている方など令和6年分所得税の確定後に対象となるかを判断すべき方については、正確を期すため、国に確認の上、令和7年度の不足額給付での対応としたことで、約13億の未執行額が生じ、整理補正を計上したものです。
住民税非課税世帯等への10万円給付金および子ども加算については、それぞれ想定を上回り、10万円給付金は10,067世帯に、このうち、子ども加算は946世帯1,552人に支給いたしました。
【答弁2】 市長公室長
物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の活用についてですが、
まずは、これまでも実施してきた保育施設の食材料費の補助や、一部の東京都の支援対象とならない福祉施設や幼稚園の光熱費補助等の財源とし、継続した支援を実現しております。
これに加え、犯罪防止のための住まいの防犯対策への補助や、すべての子育て世帯を支援するための臨時給付金に本交付金を活用することで、長引く物価高騰の影響を受けている市民や事業者の皆様への迅速で幅広い支援を目指したところです。
2.子育て世帯物価高騰支援臨時給付金について
【答弁1】 子ども家庭部長
児童手当の情報は、公務員が含まれていないなどの課題があります。口座情報等の申請を不要であることや地域経済の活性化も意図して、現金給付とせず、桑都ペイを活用することとしました。
【答弁2】子ども家庭部長
桑都ペイを活用することで、申請書類の送付や支給決定通知の送付などの業務を省略することができ、委託料の削減効果があると考えております。昨今の物価や人件費の状況等を考慮した経費になります。
【答弁3】 総合経営部長
なりすまし等の防止対策についてですが、
令和5年度は、利用者がチャージを行うことで30%のプレミアムポイントを受け取れたことから、一部の利用者が複数のアカウントを作成し、プレミアム分を重複して取得した事象が発生しました。
今回は、1回限り読み取りが可能な2次元コードを、給付対象となる方に直接お送りすることから、前回のような事象は発生しないものと考えております。
3.電気・ガス料金高騰対策事業者支援について
【答弁1】 産業振興部長
令和5年度に実施した「電気ガス料金高騰対策事業者支援金」の検証についてですが、
国において、エネルギー価格低減のための施策を実施されたことにより、事業者においては令和5年2月の支払い分から前年と比べ電気料金が減額傾向に転じ、結果的に交付件数が想定を下回ったものと考えております。
【答弁2】 産業振興部長
対象事業者数の根拠でございますが、
中小企業庁や民間企業が公表している調査を参考に制度設計を行い、「コストが前年より10%以上上昇した中小企業の割合」や「原材料や燃料費、電気代が高騰している中小企業の割合」「営業利益が前年比で改善していない企業の割合」などを参考に、対象者数を見込んでおります。
【答弁3】 産業振興部長
営業利益などを証明させることに対する市の見解でございますが、
支給要件に対し審査を行い、適正な給付となるよう、確定申告書や領収書などの書類提出は、必要になるものと考えております。